重松清「きみの友だち」
みんなぼっち


「重松清は、現在、もっとも正しい日本語を使う作家」なのだ、という知人の説に影響されて、読んでみることにしました。

ちなみに私の重松歴は、前に新聞で連載されてた「エイジ」をちらちら読んでたくらいで、この本がほぼファーストタッチ。
 

最後の、語り手の正体ばらしオチは蛇足な気がする。
まぁぼーっと読んでたせいで、途中まで文中の「きみ(you)」を「きみちゃん」という女の子の名前だと勘違いしていたわたしが言うのもなんなんだが。

ひとつひとつのエピソードに、少なからず思い当たる節があってうならされた。
いちばん響いたのはお調子者の堀田ちゃんが主人公の「ふらふら」。
次点がイタい子、佐藤君の「別れの曲」。
辛いね、イタさを分かってて、止められないの。

今だったら、
ご飯を一人で食べることも、
休み時間に一人で本を読むことも、
トイレに一人で行くことも、
全然恥ずかしくないし、みじめじゃないのに、
「学校」の中ではそれは「負け」だって、確かに思い込んでたなぁ。
負けてもいいって思い切れるほど、大人じゃなかったし。 

しかし、なんでもかんでも恵美ちゃんが救ってくれるワンパターンはいかがなものか。
結局恵美ちゃんはヒロインだから特別扱いか。
そうか、彼女は語り部の天使か。

どこだか忘れたけど「そういうときは、ありがとうでいいんだよ」みたいなセリフがあって、綾波か…と素でびっくりしました。
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