ロジェ・マルタン・デュ・ガール「チボー家の人々1 灰色のノート」
命をかけて君のものなる


マイベスト5に入る漫画に、高野文子の「黄色い本」があります。
その、黄色い本がこれ。
と言っても、借りてきたのは新書サイズの文庫本だから黄色くはないんですけど。
 

昨今の恋愛小説の貧弱な語彙を鼻息で吹き飛ばすような、
灰色の交換ノートにつづられる濃厚な言葉のやりとり。
それが、ジャックとダニエル、13歳の少年2人によるものであること。
フランス語は、愛を語る方面に強い言葉だけれど、日本語には難しいのかも。
基本的に「語らずとも分かる」を至上とする日本語で表現すると、
甘ったるく、大げさで、胸焼けを覚えるような濃厚さがある。
(同時に羨ましいんだけど)

2人は周りの大人たちが心配するような同性愛の関係ではなく、
自分の心を分かってくれる人、としてのお互いにのぼせ上がっているといった印象。
少年っていうのは情熱的なものなのかしら?
経験として少年であったことはないから分からないけれど、
「トーマの心臓」あたりを思い出しました。

豫譲の「士は己を知るもののために死す」であったり、
「むかし、あけぼの」で描かれた清少納言と中宮定子の関係であったり、
「魂の片割れ」を求めるのは万国共通の欲望なんだなぁ。

お話はまだまだ続きます。
とりあえずダニエルの父親が本当にダメンズで、それに流されそうな母親もダメ女だ…!
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