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忘れないですよ。
by かみー
先日、以前BRIDGEで舞台美術やチラシの絵を担当していた、佐藤武明のお葬式に行ってきました。

あまりに急なことだったので、亡くなったという連絡をもらったときも、お葬式に行っても、そして今でも、なんだか全てが夢なんじゃないかというような、そんな気分です。

最初は、信じなきゃ、受け止めなきゃ、って思っていたんですが、こんな感じでいいんじゃないかなっておもっています。

彼はまだ27歳でした。私と同い年。
画家として、たくさんの絵を描いていました。見るたびに上手になっていて、そしてあったかい絵になっていました。
昔は苦しそうに絵をかいていたのに、最近ではとても楽しそうに描いていました。とにかくたくさん描いていました。遊びにいくたびに、描きためた作品を見せてくれました。

私が最後に会ったのは、今年の4月でした。
3月10日(佐藤の日)に入籍したタケに、結婚祝いってことでささやかなプレゼントを持って、おうちを訪ねました。
奥さんと一緒に行った旅行の写真を沢山見せてもらいました。二人とも、すごく幸せそうでした。

タケと私が出会ったのは6年前でした。
私が初めて参加したBRIDGEの公演、『眠りの森の、ケモノ』のときです。

私は衣装担当だったので、舞台美術をやっていたタケとは、いっつも一緒でした。
彼のアトリエで、彼が舞台に生やす木を作っている横で、私はひたすら衣装を作っていました。
徹夜続きで二人して目の下クマだらけ、頭はボサボサだから帽子でごまかして、タケの手はペンキまみれ、私の手は布を染める染料で汚れてました。

タケはよく「僕とかみーは双子みたいだね」と、言っていました。
もちろん私たちは、見た目も似てないし結構性格だって違います。
でも、タケは双子みたいだって言っていました。なんだか、根っこのとこでつながっている気がするんだそうです。
確かに、お互いあまり言葉をかわさなくても、なんとなく意思の疎通ができていたので、そういうことなのなかなあとも思います。
皆まで言わなくても理解してくれる人がいるというのは、すごく心強いことでした。

昔はタケが辛いときに私に連絡してきていたのに、いつの間にか私の方から連絡することの方が増えました。
私が体を壊していたときも、終わりの見えない不安に押しつぶされそうになってたけれど、タケの優しい言葉にずいぶん助けてもらいました。
私の体調が戻ってきてからは、タケに連絡をとることが少なくなっていました。

久しぶりに会ったときでも、みんなでワイワイしている中で私たちは、顔を見合わせることが多かったような気がします。
別に何ってわけじゃないんですが、それが挨拶のような、目を合わせただけでなんとなく、会話をしなくてもお互いの様子が確認できたみたいな、そんな感じでした。
そういう時のタケはいつもちょっと寂しそうに笑っていました。


思い出を振り返りだしたらとまらないぐらい、たっくさんあります。ありすぎて、ちょっと忘れてます、もったいない!
大切な、大切なお友達でした。今も大切なお友達です。

絵もチョコチョコもらってたんです。
うちの実家で飼っていた猫のチロも、鉛筆画で書いてくれました。大切にしようと思います。

もっとこうしてあげればよかったとか、いろいろ考えてしまうこともあるのですが、そんなこと考えたってしょうがないので、これからは時間は限りなくあるもんじゃないってことを忘れずに、常に全力で生きていきたいと思います。
また今度にしようって、その今度が来ないこともあるんだってこと、忘れないでおこうと思います。

最初は、ショックでへこんで立ち直れないんじゃないかと思ったぐらいなんだけれども、結構前向きな自分に逆にビックリなぐらいです。

これからも、毎日がんばるぞう。

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